水を科学する---三島 勇著、増満 浩志著、上田 寿監修 出版:ナツメ社
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水を科学する


著者: 三島 勇著 増満 浩志著 上田 寿監修 出版:ナツメ社より

 

水の三態

多くの物質に固体・液体・気体という三つの状態(物質の三態)がある。
水は「氷」・「水」・「水蒸気」である。但し、非常に低い気圧の下では液体の状態がなくなる。ドライアイスが液体にならないように、氷から直接水蒸気へと変化する『昇華』。セ氏374度、218気圧以上の高温・高圧下では液体と気体の区別がなくなり、『超臨界水』という特別な状態になる。

水の構造

酸素原子と二つの水素原子が結合する角度は、約105度といわれている。又、酸素の原子核から水素の原子核までの距離は0.957オングストロームといわれている。

水素結合

共有結合で一体となっている水の分子だが、電気的にみると「偏り」がある。酸素原子は電子を引きつける力が強いため、水素原子と「共有」している電子を、酸素原子側に抱き込むようにしている。このため、酸素原子のほうに電子が偏り、水素原子のほうの電子の密度が薄くなっている。電子は電気的にマイナスになり、電子の密度が薄くなっているところはプラスになる。このような電気的な偏りを「極性」といている。

水分子もこの極性をもち、分子内部でプラスとマイナスに分かれている。この結果、水の分子どうしはプラスはマイナス、マイナスはプラスと引き合っている。この状態は「水素結合」と呼ばれ、ファンデルワールス力と同じように分子同士に働く引力だが、結びつく力の大きさはファンデルワールス力よりも大きく、約1.5倍だといわれている。

非常識な水

固体・液体・気体、全ては冷やされていくと体積が収縮する。ところが水は4度までは体積が小さくなっていくのに4度から0度にかけて、逆転し、体積が増えてしまう。このため『氷』が水に浮くのである。これは4個の水分子の「水素結合」により、分子間に隙間が生じるためである。

水 和

イオン結合で強く結びついている食塩は水によく溶ける。これは食塩が水の中でナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれる(この現象を『電離』といい、電離して溶解する物質を『電解質』と呼ぶ)。
電気的にプラスのナトリウムイオンが、マイナスに偏っている水分子の酸素原子と、マイナスの塩化物イオンが、プラスに偏っている別の水分子の水素原子と引き合う。そのため、結晶となっていた

アルカリ性と酸性とは?

液体の水の中ではH2O分子の一部が、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)に分かれている。その割合は、温度によって変化する。
純粋な水では、H+とOH-が同じ数だから、どちらも10のマイナス7乗になるのだが、そこに塩酸のような物質が加わると事情が変わる。塩酸(HCL)もH+と塩素イオン(CL-)に分かれ、H+の濃度が高くなる。しかし、イオン積は「10のマイナス14乗」と決まっているので、バランスをとるために一部のH+とOH-がくっついて分子に戻る。結果的に、もとの純粋な水よりもH+が増えて、OH-が少なくなる。これが酸性の状態。

逆に、水酸化ナトリウム(NaOH)が溶けたりしてOH-が増えると今度はH+が減る。これが「アルカリ性」。
pH・・・・・ドイツ語読みでペーハー、英語読みならピーエイチ。

「さび」は水によって起こる科学反応

鉄が錆びるとき鉄と酸素だけでは無理で、水が大きな役割を果たしている。
見た目は滑らかに仕上げられた鉄製品でも、ミクロレベルでは均一でなく、電子がたくさん集まっている部分と比較的少ない部分とがある。このため、鉄が水につかると、電子の豊富なところから少ないところへと水を伝って電子が移動する。このとき、電子が去ったところでは鉄原子が鉄イオン(Fe2+)になり、水中へ溶け出す。飛び出した電子が行き着いた先では、酸素分子と水分子とから水酸化イオン(OH-)ができる。この2種類のイオンが結びついて、まず水酸化第一鉄(Fe(OH)2)になり、これがさらに水および酸素と反応して最終的に酸化鉄)(FeOやFe2O3)になるというのが、「さびる」という反応。

MRI(Magnetic Resonance Image)核磁気共鳴映像法は体内の水を利用

体内の水素原子はすべてバラバラの方向を向いている。ここに強力な磁場をかけることにより原子核を同じ方向に向ける。そこに、ある周波数の電磁波を与えると、水素原子核は特定の方向に向く現象が起こる。これを「磁気共鳴現象」と呼んでいる。ここで与えた電磁波を切ると、特定の方向を向いていた水素原子核が自然の状態に戻る。このとき、水素原子核は微弱な電磁波を放出するが、水素原子核の戻り方は、人体の組織や状態によって違う。このため、戻るときの電磁波放出のズレをもとに画像化する。

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