誠仁会協和病院院長河村宗典先生のアルカリイオン水・アルカリ還元水を利用した臨床的効果についての報告。

第23回「水利用技術研究会」発表からの転載。

民間における電解イオン水の治病への効果が認められるようになってかなり久しいものと思われるが、残念ながら臨床医家による治験例の具体的な報告はほとんどなされていない現状である。(作者注;発表年月日、昭和61年12月12日)

私は過去一年間、東洋科学研究所及び林秀光先生のご好意により、電気的水質改質装置(作者注;一般に言うアルカリイオン整水器)を用いて、入院及び外来患者にイオン水を臨床的に使用する機会が与えられ、いくつかの治験を得ることができたので報告する。

 1. 電解アルカリイオン水の臨床的効果


1) 便秘の改善
2) 血糖効果及び尿糖の消失(糖尿病)
3) 局所血行の改善(糖尿病脱疽)
4) 消化性潰瘍の再発抑制
5) 胃切除後の慢性下痢の改善
6) 利尿効果(尿管結石・尿路感染症)
7) 腸管麻 患者に対して比較的早期に水分の経口投与が可能になった。
   (開腹手術や麻性腸閉塞)
8) 小児の脱水症の改善(嘔吐下痢症)
9) 新生児奥疸発現の減少


 2. 酸性イオン水の臨床的効果の見られた患者


1) 汗泡状白癬症・爪白癬症
2) 難治性下髄潰
3) 感染性癌孔(外傷性、手術後)
4) 熱傷
5) 凍瘡
6) 新癬外傷(表在性)
7) ひょう疽(抜爪後)
8) 新生児の頭部皮下血腫(吸引分娩後)



以上が私の経験した臨床的に効果の見られた患者であるが、病院におけるイオン水、特に飲用に供するアルカリイオン水については、個々の症例数の少なさ、他の薬剤との併用、患者の理解等にさまざまの制約があり、全く水のみの治療効果の判定は困難と言わざるを得ない。又、イオン水の医学的面での作用機構についての基礎的研究は全く行われていないと言ってもよく、仮説の域を出ない未知の部分も多い。これら種々の問題が私ども臨床医をして水の使用に消極的たらしめていることは否定できない。

医学は有史以来5,000年に渡って今日まで文明の発展と共に幾多の変遷を経てきた。中でも西洋医学は依然として薬物療法である。病気の診断法はますます発達し、病気を細分化し、薬剤は無限にその数を増し続けて止まるところを知らない。その作用点を絞って、ねらいを定めて薬剤を投与する。その技術を競うことが臨床医の本当の姿であろうか。病気を野放しにして肉体の荒廃するに任せたあげくに機械の部品を交換するがの如くに臓器移植に走ることが医学の勝利と思っているのであろうか。医学はここに至って出口のない迷路に入り込んでしまったと言わざるを得ない。

私ども臨床医は今改めて、医療とは何か、病気とは何かを問い直すときに来ていると思う。私どもの使命は、目下の患者の苦痛より開放することにこそあるのであり、いたずらに理論のみを追い求めて時を浪費するところにはないのである。

以上を総括すると、病気の予防こそが医療の原点であり、治病の根幹けなくてはならないのであり、水はまさにその鍵であると確信するものである。


   *管理者注 : 河村医師は現在(2016年)もアルカリイオン水、アルカリ還元水を利用して、さまざまな疾病・疾患の治療・改善を実践され、多くの患者に喜ばれている。 * サイトマップ

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