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湿疹  景福診療所長 田村達治博士



10年間最高の専門治療をうけてものらなかった頑固な湿疹がアルカリイオン水の使用で一ヶ月で治ったという例があるのでここに紹介しておこう。

T・I氏年齢70歳の男、職業は自動車の特殊部品メーカーの社長。
戦後間もなく両側下腿外側に急性の湿疹ができた。次第に掻痒感が著しくなったので、某大学病院の皮膚科で治療を受け、左側は治癒した。しかし、右側はいっこうによくならず次第に掻痒感をまし、時として、掻きすぎて局所の出血をみることもあった。いくら治療を続けても頑として快方に向かうことなく、しまいには膝関節足関節におよび、表面からたえず分泌物がジメジメと浸出するに至った。他の大学病院で再び専門治療を受けたが数ヶ月たっても効果は表われず、専門医を転々と訪れてみたがどこも期待はずれに終り、与えられた薬物を自分で塗布しながらいつしか10年が過ぎてしまった。たまたま旅行中の車中でのこと、右上肢がマヒを起こして右手がまったく利かなくなり知人の紹介で私の病院を訪れた。右上肢のマヒは車中での異常姿勢によるものとみられたが、右下腿の湿疹は膝関節外側から足関節にわたり、その表面は粘潤膿性分泌物でおおわれ、ところどころに血性分泌が認められ、皮膚炎状になっていた。治療方法としてアルカリイオン水使用を薦めたところ、T・I氏は早速アルカリイオン水製造機を買い求めたので、アルカリ液*1の服用と、酸性液*2の局所湿布を教えた。

夫人は父君のために液を熱心に製造して*3治療を実践したところ、年中ガサガサしていた夫人の手が酸性液父君の湿布の世話をしているうちにやわらかな肌触りの掌になったので、夫人は喜んで前にも増して父君の湿布に力を注いだ。

ときどきホウタイを解いて下腿の症状を観察したところ、驚いたことにそのつど局部の分泌液が急速に減少してきたことであった。アルカリイオン水を使用して2週間目には分泌物が完全に消失して、びらん部の表面には表皮が発生し始めていたので短時間の太陽灯照射を2回試みた。3週間後には局部表面には跡形がなくなり、ほとんど健康皮膚と変わらぬ状態になっており、治療開始以来一ヶ月半で完全治癒したのには本人の喜びも大きかったが、医者の私自身の驚きははかりしれないものがあった。

こうした症例から考えられることは、近代医学の盲点を遺憾なく補うことができるということである。





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