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ヤケドに有効な酸性液

(元)新潟医大講師 福井外科 福井謙一博士



電解イオンの機械で水を分解しておきながら、アルカリ性液を内服に用いるだけで、酸性液を捨ててしまう人が意外に多い、もったいないことである。

浴槽の湯にまぜると皮膚が美しくなるし、洗濯の際この水を使うと美しく洗えるなどの効用のほか、ヤケドをした時に酸性液に浸したガーゼで罨(あん)法すると症状が軽快になる。罨法というのは一般にいう湿布と違って、わたしの恩師桜根孝之進先生の独自の見解によってあみ出されたもので、薬液に浸したガーゼを充分に絞り上げて、畳み直し、わずかの湿り気だけとし、ガーゼの間に空気が介在するようにして貼り付ける方法である。

ヤケドになぜ電解イオン水酸性液が良いかといえば、ヤケドの水泡液を調べてみると、通常の体液よりもアルカリ度が高いことがわかった。ヤケドお痛みの原因は分泌物の刺激だといわれており、したがって、外科的処置として水泡を破って液を流出させ痛みをとるわけだ。この滲出(しんしゅつ)液のアルカリ度の上昇をおさえるため、酸性液を罨法することにより、中和すれば痛みがおさまるはずである。ホウ酸水を使用するよりもずっと有効である。

いま、ケロイドの治療に独自の開発をした酵素と酸性液をあわせて使用しているが、予想外の好結果を得ている。





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