カートリッジ交換不用の浄水器って本当?

カートリッジ交換不要をうたった浄水機が販売されています.経済的なのでしょうか?

1980年代後半にアメリカからカトリッジ交換不要の浄水機が輸入されました。約8年間カートリッジを交換しなくても使用できると宣伝されていました。今ではこれと同じような機能をもった高額(20万円~50万円)な浄水機(国産、輸入品)が販売されています。
なぜカートリッジを交換しなくてよいのでしょうか?
お答えする前に、このような浄水機の構造をご紹介しましょう。
  1. ゴミ取り用フィルター(不織布、テクニカルフィルターなど)で大きなゴミを取り除く。
  2. 活性炭で残留塩素などを取り除く。
  3. サンゴでアルカリ分を補充する。
  4. マグネット(磁石)で水を活性化する。
  5. セラミック、トルマリンなどで良質の水に仕上げる。
  6. フイルターでろ過材の流出を防ぐ。
  7. (一部の機種)中空糸膜で一部の微生物等の微細なものをを除去する。
  8. その他
以上のような構造になっています。
このシステムでろ過された水は
残留塩素が除去され、
水の分子集団が小さくなり、(2005.7.31)
カルシウム分が増量し、
より安全で、おいしい水となって吐出されます。
それではなぜ残留塩素を除去できるのでしょう?
それは活性炭の構造にあります。(活性炭を使用した商品が一般家庭に普及した最初は冷蔵庫用の脱臭剤でしょう。)活性炭は微細な空間を持つ特殊な構造をしています。蜂の巣を超微小化したものを想像してください。活性炭一粒一粒がたくさんの小さな部屋を持っています。この小さな部屋の中に残留塩素を取り込んでくれるのです。この活性炭の能力により残留塩素(カルキ)が取り除かれて、おいしい水に変化するのです。
ところが、この活性炭には面白い特徴があります。高温になると、一度取り込んだ残留塩素を放出してしまうのです。ここに長期間使用できると謳っている浄水機の秘密が隠されています。
すなわち高温(65℃~80℃)のお湯を流すことで(このとき逆流させることで付着したサビ、アカなどを洗い流す)活性炭が取り込んだ残留塩素を放出させ、活性炭を再生し、長期使用できるようにしたのです。
一部の浄水機のカタログには水で再生すると書いてありますが、これは以上のことから考えられません。(ゴミ、汚れなどの一部は取れます)
それでは高温のお湯をどのくらい流せば再生するのか?
約15分程度と言われています。ところが、これで100%再生するわけではありません。少しずつ処理能力は低下してきます。
以上のことから、たとえ10年、20年使用できると仮定しても、能力を維持するためには、
  1. 1~2週間に一回、
  2. 65度C以上のお湯で(高温ほど効果的)
  3. 15分間程度、(一回で100リットル程度の水が必要です)
  4. 洗わなければならない。(この時使用するお湯は汚れや塩素をたっぷり含んでいますので、使用できません。)
性能の低下を軽減するために一体どのくらいの量のお湯を無駄にするのでしょう・・・・。
燃料を無駄にするのでしょう・・・・。
販売業者はエコロジー、経済的と言っているようですが、最終判断は皆さんがなさってください。

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