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水Navi---驚異のイオン水健康法 第六章 医師の見たイオン水の効果

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イオン水についてニ、三の考察

白石 空才
(青森県むつ市桜木町国立病院内)

カルシウム・イオン水の先達である国仲先生が、それに関する著書を出されるということでたいへんうれしいことといわねばなりません。そこでカルシウム・イオン水の効用などについては、すでに国仲先生の知悉するところで、ここで私の書き記すことも、つとにご承知とは思いますが、若干、申し添えてみたいと思います。
【製造機について】
素焼き筒ですが、これを長く水洗い程度にしておくと、外側が黒くなり、通電が悪くなるので一ヶ月に一回くらいは紙やすりをかけるとよいと聞いておりました。私の経験ではステンレスのタワシかまたは粗砥石がもっとも簡単なように思われます。これも一、二ヶ月に一回くらいでよいようです。
炭素棒(板)は、そのまま同じように使うと、(+)側、すなわち外側のものが減ってきて二号液も黒ずんでくるので、たまには(+)と(-)とを交換したほうがよいと思われます。私は大型機を持っていますが、かわりの炭素棒がないので弱っております。しかし、やりようはあります(一号液が黒くなっても、何度もそれで通電するのです)が、忙しい体なので将来は小型機にかえる予定です。
私の大熱傷もほとんどよくなったので、近ごろは大量の二号液もそうたびたび必要はなくなりました。
しかし、私の念願しているイオン泉(浴)をやるには、どうしても大型機が必要なのですが・・・。
【その他】
イオン水の効果等は、書けばきりがありません。一号内用、二号外用で、大熱傷を治しただけでなく、毛が大半黒くなってしまいました。
このたび国仲先生のご著書のご出版にあたって、僭越とは存じますが、一言附記しました。

著効を奏した治験例

岡村重治朗
(大阪市大正区大正通5-100 岡村医院長)

 
第一例 火傷について

私の孫で、歯科医を父に持つ二男のことです。その日、母親は長男を連れて小学校の入学式にいき、この孫は父親の診療室で一人遊んでおりました、ところが、父親が患者さんを治療していつ間に、歯科の道具を消毒するための煮沸器のヒモを引っ張ったために、熱湯がこの子の左上腕、左前腕、脇腹ぜんたいにかかりました。父親と歯科の治療を受けていた近所の奥さんはびっくりしてしまい。歯科医院から一停留所はなれている私の診療所へ、この奥さんがかかえてきてくれました。
さっそくシャツを切り開いて患部を見ると、火傷はひどいもので、前述のとおり左肩、左上腕内外、左前腕の大半手首まで、それに左胸部も少々という火傷で、水ぶくれなどはおろかなこと、発赤どころではありません。皮下組織よりも深部筋肉までもあらわれているような始末でした。
私のところでは電解イオン酸性液を常に用意していますので、これを含ませた脱脂綿を集めにして何個もペタペタと火傷の上にのせ、その上に油紙をかぶせて包帯を幾重にも巻きました。しばらくすると痛みがとれたのか、私の宅で遊んでおり、家に帰っても痛まなかったとみえて、その晩は寝てしまったといいます。
二日目の昼ごろ、傷跡を見るために包帯をほどき、火傷の上につけた脱脂綿をとることにしました。脱脂綿をとるたびに痛い痛いと泣くし、傷からは血がにじみ出ます。それから新しい酸性二号液をつけた脱脂綿をまた焼けどの上に何個も何個もつけるのですが、なにしろ広範囲ですから、そのたびに痛い痛いというさわぎで、どうにか傷の手当てをすませて包帯をしました。まもなく寝入ってしまい、眠りから覚めると痛みもないらしく、左手も少ししかいぞえしてオモチャで遊んでいました。
火傷三日目の手当ての日は、手当てするからと往診しましたが、孫は手当てを極端に拒絶しています。いろいろすかして包帯をほどいてみましたが、痛いので脱脂綿を取るなといいます。孫の父親も一緒に包帯を取り替え脱脂綿を取るのに一生懸命でした。孫の泣きさけぶのも可哀そうでしたが仕方ありません。やっと包帯を取り、あててあった脱脂綿を取り去るのに難儀したこと・・・。
孫の父親の両手は、孫の火傷から出る血で真っ赤、火傷の腕に触ると血でジクジク、触るものやっとで、なんともいいようがありませんでしたが、 仕方ありません。
また、二号液を脱脂綿につけて血だらけの傷の上にのせてやります。その時の痛みは格別のようでした。痛い痛いと泣いていましたが、治るんだ治るんだといって脱脂綿を載せます。孫も二号液のピシャピシャのの載せるたびに痛さで悲鳴をあげます。一ぺん載せた脱脂綿は取ってしまいました。さて、それからガーゼを三、四枚重ねて二号液を含ませて三部に分け、これは痛くないよと言って一挙にガーゼをあてました。それはそれは痛かったでしょうが、先の二号液が多少しみ込んだのでしょう。あまり痛がらずにすみました。ガーゼの上にビニールを載せて包帯を、包帯の上方にガーゼを少し出しておきました。それからガーゼの二号液の乾かぬうちに包帯の上に出したガーゼにときどき二号液を滲みこますよう、父親と母親に申しつけたのです。
それから三日間これを続けさせ一週間、包帯に火傷汁がにじみ出てきたなげになり、多少腐りかけたような臭いがしましたが、包帯だけ新しく取り替えました。その間の心配は言いようもないくらい大変なことでした。
このようにして十日間も経過したので、なんでももう一度傷を見ようということで、いやがる孫をいろいろすかして、孫も左腕を多少動かし、元気になりましたので、包帯を解き、おそるおそるガーゼを取ってみました。ガーゼは湿っていたので痛みもなく取れました。傷跡にはうすい皮膚様の皮が張っていたのです。
このようにして、十四日間で跡は少しうすい皮ですがよくできており、引きつりなどもなくきれいに治ってしまっていました。

第二例 糖尿病について

私の義妹の話です。何の病気だったか知りませんが、所要があって吹田市の病院の診療をうけに行きました。その時に、糖尿病の検査をしてもらったのです。その時の医師の話に、「あなたの検尿の結果、強度の(+)である。これは先天的のものであるから、なかなか治癒しない。十分加療しないと治りません」といわれたので、私の所へ相談にきたのです。医者がいったのだから仕方ありませんが、そのころ何か変わったことがなかったかと私は尋ねてみました。
「何か甘い物を食べていなかったか」
「そういえば、タイコマンジュウを二個食べていったようです」
「それだよ、先天的ってどういう意味だか知らないが、そうするよりほかにしょうがないじゃないか」
私はいいました。内服薬や注射ではなかなか治らない病気は、カルシウム・イオン水を飲んでみたら、といってやったのです。それでも病院へセッセと通ったし、私のいうカルシウム・イオン水も飲んでいたようです。
それからというのは、彼女は極端に糖尿病恐怖症となってしまいました。毎週一回ずつ病院の検査に行き、また多少疑いの気持ちで私の所へも検査にきました。しかし、なかなか尿検が減らないので、私の言葉さえ疑うようになってきました。
しかし、私もとうとう教え聞かせることも面倒になり、吹田の病院にかかりなさいといってつっぱねてしまいました。それからは病院にかかっていたのですが、心配なので付き一回ぐらいずつ私の所へ相談にきました。
そんなに糖尿病が気になることは、ひとつのノイローゼだ。心の心配はかえって糖尿病になるってこともある。病院へ行ったってなかなか治らないといったじゃないか。心配せずに、まあみっちりカルシウム・イオン水を飲みなさい。そのうちに治るよ。」
その後、イオン水製造機を買わせて、自宅でカルシウム・イオン水を十分飲用するようにしました。その後は何とも、うんともすんとも言って来ませんし、尋ねても来ません。他の用事ができてきたので、ついでに糖尿病はどうなったのかと尋ねたところ、「病院に行ってもなおらないし、カルシウム・イオン水飲んでも治らないし、仕方がないので病院に行くのをやめて、あなたのいうようにカルシウム・イオン水だけ毎日一タンク(約二リットル入り)ずつ飲んでいましたの。ノイローゼにいかんといわれたので検査はやめていたけれど、ある日ちょっと市販の検査紙で検査をしてみたら、糖が(-)になっているんです。」
これを聞いて、さて安心と思いましたが、まだ毎日飲んでいます。糖が(-)になってから、まだまだ心配なので、ときどき検査しましたが、いつも(-)のようです。
「そーれ見い。カルシウム・イオン水はよいだろう」
好いたの病院で、先天的で一生治らんかも知れぬと言われたのも、次第にあてにならなくなりました。
このようにして彼女は立派なイオン水党になり、治療器も買い入れるようになり、子どもや孫の家にもイオン水製造機を買ってやったり、買わせたりしています。


病気の予防を治療にイオン水を

馬渕通夫
みどり会診療所長・医学博士

人間の幸福は健康で毎日生きがいのある仕事ができることにあると思います。自覚症状がなければ、ふつう健康だと思うものですが、同じ健康でも、病気になる一歩手前の健康から、容易なことでは病気にならない健康までいろいろな段階があるのです。健康とは、毎日の生活環境のつみかさなりによって左右されるものですが、その中でとくに影響力が強いのは、病気を考えるときには残念ながらあまり関心のもたれない食物--人間生命のエネルギーをささえる食物、そして心のあり方なのです。いま、なんの自覚症状がなく健康であっても、生活のつみかさなりは、ある日突然病気となって体にあらわれるのです。ひとたび病気になると、本人はもとより、家族全員に精神的、物質的負担を与え、さらには家族の健康までおびやかすことにもなる例が多くあります。
つぎの文は、朝日新聞の論壇に投稿されたある作家のもので、「金がかかりすぎる小児難病、不幸な親子にむごい追い討ち』と題するものです。少々長いのですが、さまざまの問題を投げかけています。
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五歳半になる息子が、肺炎で大学病院に入院した。その一ヶ月ほど前に、かなり重症の風疹にかかり、これを軽く考えたのが失敗のもとで、体力が弱っていたのだろう。高熱とひどいセキの伴う余病を併発させてしまった。風疹ぐらいと油断して、まだ疹が残っているうちに幼稚園に行かせたり、外出に連れ歩いたのが悪かった。押さない子どもの体力を考えなかった親のミスだと反省させられ、生まれて初めての入院という思いがけない経験をすることになった我が子に心でわびた。
日ごろ健康な子どもなので、大学病院とは縁がなく、彼が入院してみて初めて、四歳や五歳の幼いからだで、いろいろ難しく重い病で苦しんでいる子どもが大勢いることを知った。隣室のSちゃんは彼と同じ五歳の女児で、白血病三度目の発病で入院していた。症状が重いので、連日輸血と輸液のくり返しである。ベッドに上向きにねたきりで、下もおむつでとられていた。小児科病棟では禁じられているテレビを、特別に不調に許されてみていた。幼いからだの点滴は血管が細く針が入りにくいので、相当痛いらしい。道具を医師と看護婦が運んでくると、Sちゃんの弱々しい耳をおおいたくなるような抵抗が始まるのだった。『いやだあ、やめてえ』と泣き叫ぶ。ひどい時は針が血管に入らず、朝から試して一日中に三十回も針をさされ、とうとう深夜におよぶこともあった。
斜め向かいの部屋のTちゃんは、やっぱり五歳で、心臓病を患っていつ。青白い膚の愛らしい子で、Sちゃんは翌日、静かな日曜日の昼下がりに、眠るように天国に召されていった。容態が急変したときに、病室から出されてしまった若い母親が、廊下に立って、落ちる涙をぬぐおうともせず、肩をふるわせていた姿が、今でも目に浮かぶ。
また、大部屋には、小さな赤ちゃんたちが、何人も川崎市病で入っていた。母親たちは、まさかうちの子がこんな病気にかかるとは思ってもみなかったといい、元気になったのにまだ退院許可がおりないと心配げであった。
小児難病に指定された病気の入院治療費は公費でまかなわれているが、長い病気で入院中のこどもの家族の負担は大変なものである。たとえば、Sちゃんの場合は、差額ベッドの安い大部屋に入っていたが、状態が悪くなって以来、個室に移るようにいわれて、今は一日の入院室料一万六百円、月に三十一万八千円かかる部屋に入っている。その上、毎日二人の献血者から輸血してもらうために、そのお礼が一人について約五千円で一日一万円、そのほかに、ずっと付き添っている母親の外食費や交通費などが必要である。Sちゃんの家は商売をしているが、パパはSちゃんの妹の世話と仕事、ママは『あと三ヶ月もこの状態がつづけば、もう完全にお手上げよ。過去二回の入院でお金は使っちゃたし』とヤケ気味であった。
核家族で小さな子どものいる家族は、まだ両親も若く収入も多くない。子どもが難病になったという精神的苦痛に加えて経済的重圧がかかり、その心痛は想像以上である。私は医療制度に通暁していないが、日本の現状は、たとえば『がんの子どもを守る会』が行っている『療養費援助制度』など、ごく少数の善意の人に支えられた団体の活動に任せきりにしている。健康な子どもの親には同情はあっても、彼らの苦しみを理解する余裕がなく、国や地方公共団体の施策もお寒い限り。マスコミが時たま思いだしたようにキャンペーンを張るだけでなく、われわれ一人一人が、いつ自分の子どもに降りかかるかもしれない問題として、この金がかかり過ぎる医療を考え直してみる必要がある。地獄の沙汰ならぬ難病の治療の現状では、たまらない気がする。

  *

長々と引用しましたが、これは、どこでも見られる医療体制の現状でありましょう。入院加療の経験のない方は、ことに病気になったら大変なことだとお感じになったことと思います。と同時に、病気になった以上仕方のないことだし、病気は好んでなるものではなく、不可抗力だとお思いになったおではないでしょうか。ところが、病気は、この一文にある肺炎、白血病、心臓病など、すべてある程度は予防できるのです。
現代医学は、たしかにめざましい進歩をなしとげましたが、またそれ自身、病気になった半病人のようにかたわな側面があります。つまり、医学というものは本来的には、病気を治すことと同時に、病気を予防する任務があるはずなのに、その予防医学の側面が、まったくおざなりにされてきました。現代医学は、予防医学どころか、病気といえば薬と注射にあけくれ、検査技術は非常に進歩しても治療の法はたちおくれ、逆に医原病を作っているというありさまです。医学が本来のあり方に戻せるなら。不可抗力と考えられている前記の病気も予防できるのです。

  *

「マッチ一本火事のもと」といいます。すでに大火になってからでは損害は、大きいのです。マッチ一本の火を消すことによって大火は防げるのですが、このカルシウム・イオン水は、その効力を十分理解した上でりようすれば、マッチの火を消す役目を果たしてくれます。そのことについてお話しましょう。
私たちが話をしたり、考えたり、手足を動かしたりすることができるのは、体内細胞でつくられたエネルギーによるのです。エネルギーとは眼に見ることも、手でさわることもできませんが、「仕事をする力」です。このエネルギーは、毎日無意識に食べている食物が体内で分解されて作られます。
この食物のエネルギーは、今ここで詳しく説明する紙数はありませんが、根源をたどっていけば太陽エネルギーに到達するもので、たとえば、現在エネルギー資源といわれている石油、石炭なども、太陽エネルギーに由来するのです。
それでは、食物を食べてさえいれば、エネルギーは順調につくられるかというと、そうではありません。そこに各栄養素のバランスが大きく左右してくるのです。食物が分離されてエネルギーになる時、酵素作用が大きな役割を演じているでですが、この酵素作用が十分はたらくためには、体液が弱アルカリ性であることが必要なのです。この体液の弱アルカリ性を保つものは、食物中の無機塩類、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムによるのですが、カリウム、マグネシウムはふつう食品中にありあまるほど十分含まれており、これが不足するとこはまずありません。また、ナトリウムは食塩をとることにより、これも不足することはありませんが、ひとりカルシウムだけは、十分留意して摂取しないと不足がちになる成分です。ことに日本の土壌は、酸性の火山灰地でカルシウムが少なく、そこでできる野菜などもカルシウム含有量が少ないので、日本人はとくに意識してカルシウムを摂取しなければなりません。
食物は、ふつう八百種類ぐらい、飢餓の時などに食べる救荒食品をいれると千二百酢類ぐらいありますが、すべて栄養素、すなわちたんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、無機質のいずれかを含有しています。そして、肉、魚、卵など動物性たんぱく質を多く含んだ食品は、酸性食品といわれ、野菜、海藻類などのアルカリ性食品とのバランスをとって食べることが大切です。酸性食品の過多の場合、血液の緩衝作用、また、骨や歯からのカルシウムの動員などで不十分な場合、酵素作用の低下とあいまって、その人の弱点に病気があらわれてきます。
そこで、ふつう健康体の場合は、電解イオン水《還元水》を飲むことによって、酸、塩基平衡を保ちやすくなり、発病を予防することができますし、なんらかの病気にある場合は、酸性食品である肉類、てんぷら、フライ、甘い物を断ち、電解イオン水《還元水》を飲めば、病気の回復を早めるいうこともいえるのです。これは、高血圧、神経痛、リウマチ、肝臓病、糖尿病、湿疹、蕁麻疹など、すべての病気の回復に役立ちます。
血液の酸、塩基平衡を保つのに主役を演じるのはカルシウムですが、そのイオン化された状態であるイオン水は、活性のエネルギーを含んでおります。すべての病気の予防に、また治療に、バランスのとれた食生活とあいまって、電解イオン水《還元水》は非常に有効なわけです。
私のところでは、伊豆の保養所で断食する場合、これらのイオン水を利用していますが、断食反応は少なくなり、病気回復の経過にも、大きな効力を発揮しています。生きている水、それが電解イオン水《還元水》です。
なによりも健康と長寿、そして家庭の幸福のために、電解イオン水《還元水》を飲むことをおすすめします。

「カルシウム・イオン水」と私

服部達太郎
(元横浜赤十字病院院長 埼玉県赤十字血液センター所長・医学博士)

九大医学部衛生学教授宮入先生の新栄養論を読んで、昭和四年以来、私はアチドージスにならないよう注意し、家内も毎日の献立に神経を使ったものである。家庭での食事にはいかに注意しても、社会生活において外食は拒否できない。招宴、宴会、旅行のご馳走はすべて酸性食品が多い。酸・アルカリの平衡は一食毎に調整しなくてもよいが、一日毎の調整はしたほうがよい。
かつては結核患者の治療にカルシウム剤をよく投与したものだが、金属カルシウムはきわめて酸化しやすく、その安定したカルシウム剤は塩酸、乳酸、リン酸、炭酸等の酸と結合したものである。したがってカルシウムを利用しようとしても不要な酸類が随伴するところに悩みがあった。
昭和三十六年、私は友人から塩化カルシウム液を素焼きの半透膜を通して電気分解して「カルシウム・イオン水」を作り、これを飲用する方法を聞いたが、その妙薬に感銘し、まことに合理的な健康法の一つとして賛意を表し、まず自らを試験することとした。

  *

私は広島において原爆に被爆し、左半身火傷を受け放射能による後遺症に悩まされた。夏、自然新陳代謝が上昇した場合は、わずかな労働でもこれが過度に作用して血液像に変調をきたし、全身倦怠感に悩まされ、休養のやむなきに至るのが常であった。これは放射能によって生活余剰力が減退したために、常人には支障のない程度の労働でも、過度のストレッサーとして働いたことになるからである。これは故・都築教授の名付けられた原爆後影響症である。
これが発病すると、すべての活動に関する意欲が衰える。具体的にいうと歩行速度が緩慢となり、他人の歩行についていけなくなる。高架線の駅の階段は途中で休まなくては登れないし、電車内で座席のないときは吊り革を片手だけで持っていたのでは立っていられない。また就寝時も仰臥位では寝られないなど全身倦怠の症状があらわれる。この場合「カルシウム・イオン水」を十分飲むと、不思議にこれらの症状が格段に軽くなるのである。
私の家内は脂肪分の多い食事をすると、右季肋部に疼痛を覚え、レントゲン、その他検査の結果、慢性胆のう炎と診断され、手術をすすめられたほどであったが「カルシウム・イオン水」を飲用しているうちに疼痛は全く消失し、ここ十数年来全く無症状となった。
私の近所の主人が右親指の痛みを訴えて相談に来られたので通風と診断し、病院で精査を受けられるようにすすめた。病院の診断も通風と決定したので、これこそ「カルシウム・イオン水」が適当と飲用をすすめたところ、すみやかに治癒し、その後常用しておられるので再発を認めない。
親戚のもので高血圧のものがあったが、毎日熱心にこの「イオン水」を常飲しているうちに正常血圧になったと喜んでいる。
糖尿病の患者は案外多いものである。食生活が豊になったためでもあろう。これも「カルシウム・イオン水」で効果が認められる。これまで糖尿病の治療には、その大切な食事療法として、糖類はもとより炭水化物を制限する方針をとっていたが、近来はこの食事療法にはバランスよき食事はもとよりアルカロージスに傾くような食事療法に改善された。この意味では「カルシウム・イオン水」を用いることは当を得たものと思われる。事実、私は、糖尿病患者には病院治療のかたわら、自ら水分補給に「カルシウム・イオン水」を用いさせて著しく軽快するのを見ている。糖尿病で完全に全治することはむずかしいといえるが、食事療法だけで略治となることは喜ばしいことである。
次に、がんについてだが、現代はまだ残念ながら、これを確実に予防または治癒させる方法はないといえる。順天堂大学の小暮先生は、積極的な医治方のなくなった末期がん患者に「カルシウムイオン水」を与えて、その苦痛を軽減するのを発表されている。私も、四十歳の胃がん患者でガン性腹膜炎となり、死期も一週間程度と思われるので、嘔吐、腹痛を訴え、医療としては対症的に鎮痛剤と点滴のほかない患者に、水分はすべて「カルシウム・イオン水」を与えたところ、奇跡的にも患者の苦痛は消失して、流動食が摂れるようになり、病床に座して読書さえもできるほどとなった。しかし、衰弱は自然に進行して四十日後に鬼籍に入ったが悪液質末期の苦痛を全く訴えず、遺族も満足した例を経験している。柳沢医博の分析によればがんや糖尿病や高血圧等重症患者の血液中にはカルシウム・イオンが減少、カリウムやマグネシウム・イオンが増加傾向にあるといわれるので、「カルシウム・イオン水」の飲用は、健康アルカロージスの体液となすもので、全身倦怠の違和感を消失させるものと推定される。
そのほか、常習性便秘、アレルギー、感冒予防等、片瀬教授のカルシウム欠乏によるアチドージスのさいに生ずる諸疾患の説は首肯できると信じている。

  *

われわれの身体は、酸性食品によってアチドージスに傾いた場合は、骨成分となっているカルシウムを一時流用して中性に保つようになっており、造化の妙に感銘する。したがって、ただちに病的な症状があらわれるものではないが、これが長年にわたるときはどこかに無理を生じ、ストレッサーに対して抵抗力の弱いものとなっているため発病に至るのである。妊娠時のように胎児の骨形成に異常にカルシウムを必要とする時、これを補給しないと、俗に歯が脱落するというように、母体の骨系統からカルシウムをとられ、ついに歯芽の脱落さえきたす。
これに反し、つねにカルシウムを補給して容易に体液を中性に保つことができるなら、すめての体細胞は天性の生理的状態におかれて病気にかかりにくり健常な状態にあるといえる。また、いったん病気にかかったときも、早くこれを治癒に導くことができるはずである。「カルシウム・イオン水」は決して病気に対する治療法ではない。正常な食事のバランスを保たせる栄養素の一つである。したがって、毎日常用すべきものである。ふつうの水は多量に飲むと胃に停滞感があって苦しいが、「カルシウム・イオン水」はこの停滞感がなく、飲用しやすい。吸収が早いためだろう。
「カルシウム・イオン水」はアルカリ性で、その水素イオン濃度は9.2くらいであり、リトマス試験紙が著明に青変するので、だれでもアルカリ性であることがわかる。しかし、この「イオン水」は空気中でも酸化しやすいので、ただちい密栓して保存しなければならない。空気中に放置するとアルカリ度は漸次低下する。リトマス試験紙が青変しないようになれば無効である。
ふつうの飲料水中には、いろいろの元素が溶解し含んでいるので、電気分解すれば、その陰極には陽イオンをおびているカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム等が集まるのは当然で、軽度のアルカリ性を示す。
私どもはこの飲料水中に多量のカルシウムを溶解した上で電気分解するので、当然、イオン化したカルシウムは断然多量に集積する。したがって「カルイスム・イオン水」と仮称しているが、その他のイオン化した塩類も微量に含まれている。水質に応じて沈殿物ができても何らさしつかえはない。

  *

健康という状態は固定したものではなく、不安定なものだから保障され得るものではない。健康を保持するためには、毎日毎日の生活の中で、積極的鍛錬と消極的養生が必要である。養生法の中の一つとして、食物の組み合わせをよくして体液をアルカロージスに傾くよう心がけることは、もっとも手近で基本的に大切な方法である。
私は食物中に不足がちなカルシウムを補給するために、すでに十五年来「カルシウム・イオン水」を常用し、その効果のあるところを認めている。われわれの身体は体液が少しアチドージスになっても、自覚的にも他覚的にもなんら異常を感知するものではないが、潜在的にストレッサーに対して、その抵抗力が減弱しているにすぎない。病気に対しては後手の治療に回るよりも、先手の予防が賢明である。転ばぬ先の杖として、平常から健康と思っている人がこの「カルシウム・イオン水」を常用すべきである。ことに妊娠は、その胎児の発育のために、また産婦は授乳のために、カルシウムは平常より多量に必要であることを心得て、これを飲用されるようにおすすめする。


脂質代謝がよくなる

小暮賢三
(順天堂大学病院 小暮医院長・医学博士)


たしか第二回の研究発表会だったと思うが、その席上で国仲先生から非常に有意義な話を聞き、順天堂大学でも何かよってみようということになった。
じっさいのところ、最初は、はたして電解イオン水《還元水》液はどの程度きくものか半信半疑で、入院患者にすすめる場合でも自身がなかったが、たまたま胃がん手術後の重症患者に電解イオン水《還元水》を用いたところ、好結果を生んだので、これに自信を得て、主として肝機能障害における電解イオン水《還元水》の効果をためすため、動物実験をおこなうことにした。
二拾四頭の犬を、シンノオル注射、電解イオン水《還元水》内服、チオクタン注射、対照群の四つの群に分けて、いろいろな試験をしてみた。
ふつう肝機能障害が起こり、黄だんが持続すると肝実質細胞障害をともなうため、エステル量は減少し、コレステロール、エステル比も著明に低下するのが常である。その低下の程度は肝障害の程度、範囲に平行するといわれているが、表にあるとおり、治療群ではいずれも正常範囲にあった。
これは電解イオン水《還元水》が、脂質代謝に大いに関係する立派な証拠で、高血圧患者に電解イオン水《還元水》で有効であるといわれるのは、この点が関係していると思われる。(第三回研究発表会)

二、三の臨床治験例について

国仲寛長(国仲医院長・医学博士)

電解イオン水《還元水》服用によって、著効のあった脳内出血五例ならびに熱傷一例、その他二、三の興味ある例についてのべたい。
第一例 本○悟(69歳) 男
老齢、高血圧(最高230)で加療中、将来の健康過信が災いして、不摂生による脳出血をおこし(昭和41年4月15日)、半身不随、言語障害があったが、イオン水服用により同年7月14日軽快、その後一回も再発はなく、血圧170に安定して軽作業に従事している。

第二例 小○○ブ (70歳) 女
頑健で、ほとんど医療を受けたことがない。昭和41年4月15日、突然、脳出血でたおれ、言語渋滞、半身マヒあり、イオン水服用だけで、約50日後の6月16日軽快、それ以来ときどき服用する程度で血圧140に安定し、諸症状消失、起居も平常となんら変わらない。

第三例 伊○金○(76歳) 男
脳出血のため人事不省に陥り重症だったとのことだが、他医より昭和35年8月1日転医、需診したもの。イオン水服用により約二週間で血圧も160前後に安定し、半身不随の後遺症があるが、すこぶる元気で、ときどき飲酒もするほどである。

第四例 北○庫○(70歳) 男
血圧250、十一年前の脳出血のため言語障害、半身不随が遺存するが、血圧160に安定きわめて健康、イオン水を愛用している。

第五例 沢○省○(55歳) 男
昭和41年5月23日、左、右上膊神経痛ならびに高血圧(220)の病名で加療。もっぱらイオン水の服用をつづけ、神経痛だけに気をとられ血圧の測定を怠っていたが、8月3日測定の結果、血圧130となり、安定して高血圧の症状が全くなくなった。

第六例 近○恵子(3歳) 女
左大腿部第三度熱傷および右下腿部第二熱傷。
昭和42年2月24日紹介患者として外来を訪れたもの。味噌汁による熱傷を受け、瘢痕ができるかと危ぶまれたが、同年3月11日快癒。(第七回研究発表会)

自然治癒力を増大させる

田村達治
(景福診療所長・医学博士)

現代医学の進歩はめざましい。その反面、病気は細分化され、それぞれの専門分野に分かれ一つ一つが独立したもののような錯覚をいだき、そうした頭で、まとまった人間の健康状態を判断するから、病気の根本原因がつかめないことになる。
もともと、人間の生理作用は精巧な生体固有のコンピューターによって、敏速、正確に処理されるようになっており、どんな病気でも「くすり」さえあれば治せるという考えは、とんでもないことだ。
たとえば、女性に多い不定愁訴という病気、食欲不振、眠れない、頭痛などという表面的な理由からでは、胃カメラを飲んでみても、脳波を測ってみたところで、原因はさっぱりつかめない。ところが、心配ごとの原因がなくなると薬をのまなくてもケロリとよくなる。男性にくらべて複雑な機構をもつ女性にはホルモン、自律神経の失調など、現代の医学でも原因のつかめないものが多い。
ナツミカンや梅干のようなすっぱいものをみるとツバが自然にわいてくるし、ごちそうをみると、胃液が分泌されてくる。おいしいなあと重いながら食べていてもハエが二十匹もとまっていたぞ・・・なんて、いやなことをいわれると胃液の分泌がとたんに止まって消化せず、胸がもたれてくる。
人間の働きの80~90%は、このような自然の働きに作用されている。人間が地球上に足をふんまえている以上は“自然の法則”を無視することができないのもそのためだ。薬物は自然治癒力の補助手段にすぎないので、自然治癒力のない病人に、いくら薬を与えてもききめがない。
日本は水に恵まれているため、水のありがたみを知らず、それどころかバカにする風潮がなきにしもあらずだが、自然水は自然治癒力を補う方法として最適なものといえよう。
空気中の酸素が灰に入ると、すぐに血液中のヘモグラビンと結びつかず、結びつきやすい条件がととのってはじめて結合する仕組みになっているが、カルシウム分もそのままでは人体に吸収されない。
私は「イオン水」の飲用をほとんどの病人にすすめ、自然治癒力を十分につけるようにしている。
イオン水を飲んで一番はっきりあらわれる変化は、①小便がよく出る、②便通がよくなるの二点で、他の病気には、一定期間飲用する必要がある。(第九回研究発表会)

末期がんとシンオオル液の効用

小暮賢三(小暮医院長)

わたしは順天堂病院の外科にいたので、数多くのがんをみてきたが、その末期症状というのは本当につらいものである。全身に倦怠感、違和感があり、食欲不振、体重減少、疼痛、悪心嘔吐などがみられ、腹に水がたまってくる。次第に他の臓器に転移して行って死んでしまうわけである。
ところで病院では手術をして、あと何ヶ月の命だとわかると、たいてい家庭へかえしてしまうので、本当の末期症状をくわしく観察するチャンスはなかったが、医院を開業することになってから、末期症状をくわしく観察するチャンスに恵まれた。
第一例は、72歳の女性だが、本年一月、おなかにしこりができて、吐き気がするという患者をレントゲンで調べたところ、胃の出口にタマゴぐらいのがんが認められた。手術をすすめたが、家族の人が高齢のため希望せず、家族の了解のもとに、電解イオン水《還元水》を一日500cc一日三回与えることだけで経過をみているが、六ヶ月間で癌腫の増大もなく、吐き気がとれ、体重も一キロ増えた。
第二例は、56歳の男性。数年前から胃が痛み、胆石の診断を受けていたが本年2月、鈍痛と黄疸が続いたので順天堂外科に入院、検査の結果、膵頭がんであることがわかった。
手術をすると、ちょっとさわっても出血するほどの状態で、やむなく胆のうと十二指腸をつないで黄疸をとめる手術だけをして退院、手術後ひどい貧血をおこし、1,800ccの輸血をする。まず三ヶ月、夏まではとうていもたないだろうといわれていたが、電解イオン水《還元水》を一日500cc、食前三回内服させている。現在快方に向かっているとはいえないが、小康をたもっている。
第三例は、63歳の男性で胃がん。昨年八月来院、レントゲン検査の結果、慢性胃炎の診断を下したが、本年一月やせてきたということから再び来院、がんだとわかる。先のレントゲンではわかりにくかったが、わたしの誤診だった。
順天堂外科に入院、手術して胃の出口にあったタマゴ大のがんを取り出した。わずかだが胃の外に出ていたので、再発する可能性がつよいが、現在電解イオン水《還元水》を飲ませて観察中。

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以上三例の末期がん患者に対する電解イオン水《還元水》効果についての報告。症状が改善される機構についてまったく不明だが、全身の細胞が電解イオン水《還元水》に含まれている活性イオンに刺激され、新陳代謝が旺盛になり、がんお悪液質の症状がやわらぐ・・・という仮説をたてている。(第九回研究会発表)

基礎体力の向上に最適

西野陸夫(元札幌医大教授)

私はもともと厚生省におり、日本の人口問題を研究していたので、環境衛生といったことには人一倍関心をもっている。人々が生活していくのに、空気、水が必要なことはいうまでもないが、ありすぎるほどあると大切にしないのが日本人の悪いくせである。
空気の場合は、公害が多くなったせいで、ようやく注目されるようになったが、日本は水に恵まれているせいか、あんがい水といったことを問題にしない。
水が不足しているヨーロッパでは、日本とは逆に、水についていろいろ論議されることが多い。私がヨーロッパ旅行をしたとき、1962年のことだが、ドイツのライン河の水を飲料水に使えるかどうかを十年間研究をつづけ、ようやく、いいだろうという結論の出た日にぶつかった経験がある。
健康な身体づくりには、よい水を飲むことが大切で、私自身、昨年より電解イオン水《還元水》を愛用しているが、一般にひろく普及するように、このイオン水の効果がもう少し長持ちするよう研究してもらいたいものだ。
私は、冬のオリンピックを札幌にもってくるのを長年の念願にしており、各地の世界選手権大会などにも選手をつれて参加することがあるが、一番問題になるのは、選手の体力づくりである。
基礎体力がなければ良い記録も生まれない。I.O.Cは選手に薬を飲ませることを禁止しているが、水なら文句がないだろうと思う。
電解イオン水《還元水》を飲ませて体力を養い、ぜひ好記録をつくってほしいものだ。(第九回研究発表会)

胃病とその治験例

西尾直人(鍛冶橋診療所長・医学博士)

私は、昭和26年に電解イオン水《還元水》の存在を知ってから、ずっとこれを用いている。多くの人に機械もすすめてきた。病気になれば薬を飲む。これはいいのだが、薬を長く使っていると薬害がでてくる。アスピリンは熱を下げる薬だが、長期にこれを使うと、逆に熱が上がる。女性ホルモンをモルモットやハツカネズミに与えると、はじめは馬鹿に発情するが、しまいには子宮が腐ってくる。モルヒネ、ヒロポンなどでも、常用しているとだんだん効かなくなる。これを「生体の変調」とよんでいる。
イオン水はだれでも、どんな病気でも効くかといえばそうでもなく、使用法が悪かったりすると、きかないこともある。わりあいよくきく病気を紹介すると、つぎの通りである。
①胃腸・・・胃の悪い人はほとんど低酸である。田舎のほうへ行けば胃酸過多も多いようだが両方にあんがいよくきく。
②糖尿病・・・これは体質的なもので、一生治らないといわれているが、とにかくイオン水を飲んでから下の方が元気になり、ゴルフもワンラウンドハーフ平気という人が多くいる。
③常習便秘・・・下剤をかけると下痢をしてしまうという人には、ただイオン水をのむだけでもきく。簡単だからいい。しかし、イオン水を止めるとまたもとにもどる。
④慢性腎炎・・・たんぱく質がおりなくなる。
⑤ジンマシン・・・なにをやっても効果のないジンマシンに、カルシウム注射が効果的だといわれているが、同じ理由で電解イオン水《還元水》がよくきく。
⑥過コレステロール・・・動物性油をとらなくても、ある年齢に達すると、過コレステロールになる。草ばかり食べているウサギが、あんなに脂肪分があるんだから、これにも効果があるようだ。
⑦椎間板ヘルニア・・・カルシウム分不足が原因なので、カルシウム・イオンを含む電解イオン水《還元水》と小魚を合わせて食べれば効果的。(第九回研究発表会)


ヤケドに有効な酸性液

福井謙一(元新潟医大講師・福井外科・医学博士)

電解イオン水《還元水》の機会で水を電気分解しておきながら、アルカリ性液を内服に用いるだけで、酸性液を捨ててしまう人が意外に多い。もったいないことである。
浴槽の湯にまぜると皮膚が美しくなるし、洗濯の際にこの水を使うと美しく洗えるなどの効用のほか、ヤケドをしたときに酸性液に浸したガーゼで罨法(あんほう)すると症状が軽快になる。
罨法というのは医パンにいう湿布と違って、私の恩師の桜根孝之進先生の独自の見解によってあみ出されたもので、薬液に浸したガーゼを十分に絞りあげて、畳み直し、わずかの湿り気だけとし、ガーゼの間に空気が介在するようにしてはりつける方法である。
ヤケドになぜ電解イオン水《還元水》酸性液がよいかといえば、ヤケドの水泡を調べてみると、通常の体液よりもアルカリ度が高いことがわかった。ヤケドの痛みの原因は分泌物の刺激だといわれており、したがって、外科的処置として水泡を破って液を流出させ痛みをとるわけだ。
この滲出液のアルカリ度の上昇をおさえるため、酸性液を罨法することにより、中和すれば痛みがおさまるはずである。
ホウ酸水を使用するよりもずっと有効である。また、ヤケド意外に湿疹のなどの皮膚病、関節部の打撲傷などに欠くことのできないものである。
いま、ケロイドの治療に独自に開発した酵素と酸性液をあわせて使用しているが、予想外の好結果を得ている。(第九回研究発表会)

近代医学に勝る

井狩台二(井狩良導絡診療所長・医学博士)

私は、小学校時代、典型的な気管支喘息で苦しみました。体質的に丈夫なほうではなかったようです。中学時代には、睡眠中よくうなされたことを憶えていますし、青年時代は、アレルギー性鼻炎から、またぜんそくにかかるなど、弱い体質からくる病気に悩まされました。この間私は医師になり、台湾、静岡、また台湾と転地、戦争での無理もあったでしょうが、多くの病気にかかり、近代医学の使途である私は、それに合った薬を飲みました。飲みすぎるほど飲んだといった方がよいでしょうか。それでも、病気は治らず、進行するばかりで、神経さえ病んでしまったことでした。
精神不安定、神経過労で不眠にかかり、またこの種の安定剤も常用する生活がつづいていまい、過去数十年の私の生活は、薬に埋もれた生活といってもいいでしょう。ことに鎮痛剤、精神安定剤、催眠剤、鎮静剤などは、長年の友のようなものでした。薬害に関して気づかなかったわけではありませんが、昨年秋ごろまで、ずるずる薬を友とした生活をつづけていたわけです。
電解イオン水《還元水》のみ使用したのは一昨年十月の始めでした。二週間つづけたでしょうか。私はよく眠れるようになっているのに気づきました。そして、その間、催眠剤を服用することを自然に忘れていました。また、それに気づいても、のみたいと思う気持ちがなくなっていたことでした。
その結果、 ①薬とは完全に訣別できた。
②睡眠がよくなり、うなされて大声をあげることもなくなった。
③体質からくるアレルギー性のせき、ぜんそくが弱まって楽になった。
④八年前からの老人性の白内障がよくなってきて視力があきらかにもどった。
⑤腰部、脚の痛みが楽になった。
まだまだ種々の効果があったのですが、今回はこの五つの結果だけの発表にしておきます。(第十一回研究発表会)

イオン水の過酸症に対する効果

岩瀬祐一(岩瀬医院長・医学博士)

過酸症状がかなり頑固なもの四例に試用した。ただし、二例は1~2ヵ月で服用中止(特別の原因はない)したため、効果判定は困難である。服用量一日200ミリリットル空腹時。
第一例 ○○○○(64歳) 女性
服用二~三ヶ月ごろから全体的の調子がよい。過酸症の方も今までより良いようである。
第二例 ○○○○(72歳) 男性
服用二ヶ月ごろから軟便となり(一日一回)秘結しなくなった。現在も続いている。過酸症も今までより減少(回数)した。


健康時出産とイオン水

渡辺勲(渡辺病院長)

身体が健康であるためにはアルカリ性体質であることが必要であることから、カルシウム・イオン水の服用が認められていました。
妊娠した婦人が悪阻に悩まされているとき、カルシウム・イオン水に解毒性があることから、これを試みたところ、生まれた胎児の体に胎脂の付着がほとんどなく、全く筋肉体質で赤味を帯びた、いわゆる赤ちゃんが生まれ、泣き声も活発であった経験から、妊婦には必ずカルシウム・イオン水を飲用ならびに注射を励行してきました。これまでに観察した結果、明らかに利尿・解毒作用があり、腎疾患にも有効でした。
次に経験したのは、全身に皮膚疾患があり、そのためか六ヶ月で早産した婦人に、皮膚病治療のためカルシウム・イオン水を用いたところ、皮膚病の好転とともに再度の月経閉止により妊娠と診断、イオン水の服飲を続行させました。その結果、立派な男子を分娩、知能よろしく、発育順調です。
妊娠中の婦人にカルシウム・イオン水を注射すると、胎児は健康であるばかりか頭脳明晰児であることがわかりました。
知恵のつき方が早く、質問の言葉が多く、ある幼稚園児は知能テストの結果、小学校一年生の折紙をつけられたと、母親から自慢話を聞かされました。
ことに脳の発育は三ヶ月までに他の身体部の三倍も早いことからみて、三ヶ月までにカルシウム・イオン水を与えることの影響はより以上に顕著であることに気づきました。暗記判断力が他の兄弟より優れていることを、母親より告げられた例は多いのです。
イオン水飲用が受胎前より服用されていると、母親の体をアルカリ性体質にするせいか男子分娩の数が多いのです。このことは、イオン水を飲用させたカナリア飼育によって実験しました。実に八割の牡雛の発生したことにより証明されます。
男子出産は、一つにアルカリ性体質、または分泌物であること、二にY因子を有する精子が活発性を帯びることが必要です。カルシウム・イオン水がアルカリ性体質に変化せしめて保健がえられるほかに、胎児に及ぼす影響が甚大であることの一端を付記しておきます。

公害病の治験例

国仲寛長(国仲医院長・医学博士)

わたくしは、公害病として認定された喘息患者の治療に電解イオン水《還元水》を使用しました。急性胃腸炎、慢性胃腸炎患者にも服用させて、いずれも良好な成績を得ているのでご報告したい。使用した電解イオン水《還元水》はナチュラル、ミネラー、アサヒを用いて作製したものである。
第一例 ○山○○郎(昭和41年生)男
かなり以前から喘息があって医療を加えていたが、発作が激しくなって、しかも頻発するので転医してきた患者だが、かなり重い発作が起こり勝ちなので、公害によって悪化した喘息と診断。認定患者として扱うようになった。
長期治療が予想されたので、まず、酸性食をなるべく少なく、アルカリ食をたくさん摂るように食生活の指導を行ない、発作の誘引と思われる排気ガスに触れないよう警告し、同時に電解イオン水《還元水》を服ませることにしたら、知らぬ間に症状が好転して、六月頃から発作が従来のと違って軽くなり、かつ、間隔が延び、毎月四~五日以上も学校を欠席していたおが、体育などもすすんでやるようになったので、母子共に大喜びで、最近は食欲も進み、見違えるように血色も良く元気になった。近い内に全治として報告する予定である。
第二例 ○山○恵(昭和43年生)女
第一例の妹なので、 遺伝的なものと考えられる。やはり公害の影響が大きいと認められたので、認定患者として扱うことし、電解水をもっぱら服用させているが、本年六月頃から症状が軽快、発作もほとんどないので全治も近いと思える。
第三例 ○藤○子(昭和39年生) 女
この患者も公害の影響による喘息と思料されたので、認定の申請をして昭和50年11月19日から適応加療を行ったが、たびたび発作が起こって症状もかなり思いので電解イオン水《還元水》に切り替えた。やがて本年5月ごろから好転の兆しがみえ、学校も休まなくなって、ニコニコ笑い顔をみせるようになり、食欲も出て顔色も良くなったが、重症だっただけに、大事をとって 偏食を是正し、正しい食生活の指導をしながら、体質の改善が完全に行われるまで、電解イオン水《還元水》を続けることにしている。
第四例 ○子○美(昭和46年生) 女
昭和50年10月10日、公害の認定を受けた喘息の子である。きわめて重症で呼吸困難もなみたいていではなく、顔色や唇の色が紫色に変わって、今にも窒息するのではないかと思えるほどなので、発作のたびに、母親はおろろ声で、まことにはたで見る目も哀れである。
アロテックの注射や頓服、その他で適応加療していたが一進一退で急治の見込みもないので、正しい食生活の指導と同時に電解イオン水《還元水》を用いることにしたら、最近、八月頃からさすがの重症も漸次軽快に向かい、幼稚園もほとんど休みがちだったのが、たまに休む程度に落ち着いてきて母子ともにたいへん安堵しているようである。
やはり、イオン水による体質完全が大きく寄与していると考えられる高齢である。


甲状腺欠落症に著効(血中のカルシウム増える)

杉山 峻(岩戸診療所長)

私は電解イオン水《還元水》については深い知識を持たないし、門外漢なので、今日諸先生の話を聞いて、あらためて電解イオン水《還元水》の効果を知ったわけだが、きょうは、私の妻の甲状腺欠落症に電解イオン水《還元水》を適用して効果をあげた事例を報告する。
昭和45年4月、妻の甲状腺の右側がはれ、固くなってきたので、がんではないかと心配し、一ヶ月間かけて、いろいろな検査をしたところ、どうやらがんらしいというので、五月に甲状腺を手術で完全にとった。
ガン研が一番心配したのは、甲状腺欠落症である。それは血液中のカルシウム量が減少するもので、これを防ぐためには、大量のカルシウムを服用しなければならない。カルシウムを摂るのはいいが、胃の具合を悪くするので食物からも、ある程度カルシウムが補給できるだろうと、一ヶ月ほどカルシウム剤の服用を中止した。
一ヵ月経って、血液中のカルシウム量を計ってみると、相当減少していることがわかった。症状としては、頭が割れるように痛くなり、手足がしびれてくる。そしてそのしびれが次第に上へくると心臓マヒを起こすとかいう話を聞いて少しノイローゼ気味にもなった。
私は電解イオン水《還元水》の話を聞いていたので、国仲先生に相談したところ、一日でも早く飲んだ方が良いという話だった。正直なところ、はじめは半信半疑だったがワラをもつかむ思いで試みてみた。食後にコップ一杯、その間には、お茶変わりに飲むようにした。一ヶ月すると血液のカルシウム含有量がノルマルになってきた。以後ずっと続けていたが、本年の九月から十月にかけて忙しかったので、中止していたところ、十月のガン研の検査で、またカルシウム値が減少しているという結果が出てしまったので、あわてて電解イオン水《還元水》を飲み始めた。
私の妻と同室の人で、二~三年前に甲状腺を摘出した人がいるが、おじぎをした時に肋骨を折り、その痛みがとれた頃、今度はつまづいて脚の骨を折ってしまった。カルシウム剤を補給しているが、甲状腺をとってしまったため、血液中のカルシウムが少なくなり、骨のカルシウム分がとられて、骨がもろくなってしまった。こんな患者にも電解イオン水《還元水》を用いると、もっと効果が上がるのではないかと思う。
がん研の主治医の先生には、電解イオン水《還元水》を飲んでいることを話していないので、なぜ、血液中のカルシウムがノルマル(正常)になったのか不思議がっている。
本年で手術して三年になり、自覚症状もすっかりとれたので、今後も電解イオン水《還元水》の服用を続けるつもりである。

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