脂質代謝がよくなる 小暮賢三博士



たしか第2回の研究会だったと思うが、その席上で国仲先生から非常に有意義な話を聞き、順天堂でも何かやってみようということになった。
  コレステロール/エステル比
電解イオン水注射群
電解イオン水内服群
チオクタン注射群
対 照 群
73.0%
64.6%
62.3%
52.0%
標準  60〜80%
実際のところ、最初は、はたして電解イオン水液はどの程度きくものは半信半疑で、入院患者にすすめるば場合でも自信がなかったが、たまたま胃がん手術後の重症患者に電解イオン水を用いたところ、好結果を生んだので、これに自信を得て、主として肝機能障害における電解イオン水の効果を試すために、動物実験をおこなうことに下。24頭の犬を、電解イオン水注射、電解イオン水内服、チオクタン注射、対照群の4つの群に分けて、いろいろな試験をしてみた。

ふつう肝機能障害が起こり、黄だんが持続すると肝実質細胞障害をともなうため、エステル量は減少し、コレステロール、エステル比も著明に低下するのが常である。その低下の程度は肝障害の程度、範囲の平行するといわれているが、上表にある通り、治療群ではいずれも正常範囲にあった。

これは電解イオン水が、脂質代謝に大いに関係する立派な証拠で、高血圧患者に電解イオン水が有効であるといわれるのは、この点が関係しているものと思われる。




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