末期がん効用  小暮医院長 小暮堅三博士



私は順天堂病院の外科にいたので、数多くのがんを見てきたが、その末期症状というのは本当につらいものである。全身に倦怠感、違和感があり、食欲不振、体重減少、疼痛、悪心、嘔吐などがみられ、腹に水がたまってくる、次第に他の臓器に転移して行って死んでしまうわけである。

ところが病院では手術をして、あと何ヶ月の命だとわかると、たいてい家庭へ返してしまうので、本当の末期症状をくわしく観察できるチャンスはなかったが、医院を開業することになってから、末期症状をくわしく観察するチャンスに恵まれた。

第1例は、72歳の女性だが、本年1月、おなかにしこりができて、吐き気がするという患者をレントゲンで調べたところ、胃の出口にタマゴぐらいのがんが認められた。

手術をすすめたが、家族の人が高齢のため希望せず、家族の了解のもとに、電解イオン水を1回500cc、1日3回与えることだけで経過をみているが、6ヶ月間で癌腫の増大もなく、吐き気がとれ、体重が1kg増えた。

第2例は、56歳の男性、数年前から胃が痛み、胆石の診断を受けていたが本年2月、鈍痛と黄疸が続いたので順天堂外科に入院、検査の結果、膵頭がんであることがわかった。

手術すると、ちょっとさわっても出血するほどの状態で、やむなく胆のうと十二指腸をつないで黄疸を止める手術だけして退院、手術後ひどい貧血をおこし、1800ccの輸血をする。まず3ヶ月、夏まで到底もたないだろうといわれていたが、電解イオン水を1日500cc、前食3回に分服させている。現在快方に向かっているとはいえないが、小康を保っている。

第3例は、63歳の男性で胃がん。昨年8月来院、レントゲン検査の結果、慢性胃炎の診断を下したが、本年1月やせてきたということから再び来院、がんだとわかる。

順天堂外科に入院、手術して胃の出口にあったタマゴ大のがんを取り出した。わずかだが胃の外に出ていたので、再発する可能性が強いが、現在電解イオン水を飲ませて観察中。

以上3例の末期がん患者に対する電解イオン水の効果について報告。症状が改善される機構についてはまったく不明だが、全身の細胞が電解イオン水に含まれる活性イオンに刺激され、新陳代謝が旺盛になり、がんの悪液質の症状がやわらぐ・・・という仮説をたてている。





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