胃腸障害 小暮堅三博士 小暮医院 順天堂医大外科 わたしは過去に肝機能障害、末期ガンに対するアルカリイオン水の効果、熱傷などの臨床実験の結果を報告してきたが、今回は最も深い関心が寄せられている「胃液酸度とアルカリイオン水」というテーマを少し掘り下げてみたい。 まずアルカリ性のアルカリイオン水を内服した場合に考えられることは、胃液中和の問題と胃液の分泌機能に対する問題だろう。アルカリイオン水を内服した場合、内服後1〜3分で非常に胃液の分泌が高まり、胃液の量は1.5倍の量になった。 正常な人が内服した場合・・・・・・・ 一時的に過酸症状があらわれることが多い。しかし、アルカリイオン水自体、アルカリ性であるため、胃酸中和能をもっているために、過酸症状を自覚しない。 過酸症状の人が内服した場合・・・・・・ アルカリイオン水はまず胃液で中和され、かつ大量の胃液と混ずるため胃液分泌腺の刺激が少なく、分泌能も著名でない。 低酸の人が内服した場合・・・・・・・ 一般に低酸の人は胃液の量自体が少なく、少量の胃液ではアルカリイオン水に拮抗することができず、胃液分泌腺の刺激が強くなり酸度の高い胃液が大量に分泌されてくる。 以前、千葉大学中山外科の鍋谷講師が研究発表したところによるとアルカリイオン水を内服した場合、過酸は正酸にかたむき、低酸も正酸になるとのことだった。わたしもそのまま素直に理解できない点もあったが、中和と分泌能の二つを考えあわせて、実験してみたところこれが正しいことが判明した。私のおこなったアルカリイオン水の実験では、そうとうな過酸の人には、他のアルカリ剤のように強力、かつ即効性のある中和剤ではないように思えた。もちろん、この問題には先程書いたように、アルカリイオン水には強い分泌能刺激作用があるため、胃液の分泌量が多くなるため、体内ではさほど強い中和能を示さないのかもしれない。したがって、現在採取した胃液をもとに試験管内で、中和能について実験中である。 |