胃がん  国仲医院院長 国仲 寛長博士



43才の個人的に非常に懇意な患者の例。
主治医ががんの疑いがあるというので驚いて私のところにきた。「早速、診てみると大きなツモールがある。もしがんだったら末期に近いからと入院をすすめた。

入院をし手術をしてみると、がんはもうマーゲンの大部分に波及して、全摘をおこなわなければならない状態なので仕方なくそのままシュリーセンした。水も通らない状態で少し手遅れだけれど、やむを得ないからアルカリイオン水を飲ますように勧めてみた。病院では水も通らないのにと反対したが、私の説得で飲ませはじめた。院長はおそらく一週間か10日、長くて一ヶ月、その間だけ輸血しようということだったが、アルカリイオン水を飲んで3〜4日で物を吐かなくなり、痛みもなくなった。飢餓状態にあったため食べたい食べたいと、いろんなものを食べ始めた。あど何日といわれた人が四ヵ月以上も命がのび、全然苦痛もなく眠るようにして息をひきとっていった。こうした症状の場合、鎮痛剤を打って帰ってくると、またすぐ往診という具合に非常に苦しむのだが、アルカリイオン水が少しききすぎるんじゃないかとわたし自身驚いたくらいだ。わが国のがん患者、とくに胃がんの患者数はからに増加をしめしているにもかかわらず、国際対癌連合会長ハード氏によれば、英国、米国では逆にその数が減少しているといわれている。

進行を抑制するカルシウム
がんの発生と食生活に何らかの因果関係が、あることはあきらかだ。何を食べるとがんになりやすいか現時点で明確にすることは不可能だが、米国のランシング氏の研究でもあきらかのように、カルシウムがすくなくなるとがん細胞の分裂がさかんいなり、カルシウムを加えると進行がおさえられることがわかっている。がんが心配な人はカルシウムイオンを多く含む野菜、果物、海藻類を大いに食べるべきだ。

わが国の青少年に野菜嫌いが多いようだが、従来のタンパク、脂肪、糖質に偏重したカロリー本位の栄養献立はここらで反省し、ミネラル、ビタミン、水の三要素にもっと焦点をあてなければ、アシドージス(酸毒症)におちいり、高血圧、脳出血、心臓病などを誘発し現代病に悩む人は増加の一途をたどるだろう。

菜食が長寿に影響していることを考えると、酸、アルカリの平衡にもっと注意しなければならないと思う。阪大の片瀬教授によれば、ウサギに酸性食餌を与えると細長い体型になり、アルカリ性食餌を与えるとずんぐり型となる。ファウンドレル氏の研究でも都会、学者、金持ちの子弟は細長で、農村や労働者、貧乏人の子供はずんぐり型であるとのべている。いずれもカルシウム代謝が均衡のとれた体格、体力づくりに関係のあることを裏付けている。




 
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