篠原秀隆博士とアルカリイオン水

篠原秀隆博士とアルカリイオン水

(篠原博士は鳩山ニュータウン診療所院長です。以下健康雑誌「わかさ」より抜粋転載。)

ふと気がついたとき、私の体はボロボロになっていました。高血圧、高脂血症、肥満、慢性肝炎、尿管結石、慢性じんましん、自律神経失調症など、ありとあらゆる病気が、私の体と精神を襲ったのです。体は異常にかゆく、頭髪はゴソッと抜け、はげて残った髪は白くなっていました。

医師の私が手術中に目がまわり、患者さんの手術を放棄したこともありました。立っていることができず、力を入れると、目から火花が飛び散り、危険な状態だったからです。
私の運命もあとわずかか。四十歳前後のころ、私は真剣にそう考えていました。そんなとき、私はなにげなく、シュノーケル(潜水時に使う呼吸用パイプ)を身につけて、夏の海にポッカリと浮いてみました。実にいい気持ちでした。そして、今日の私の“水療法”の原形のようなものを青い空を見上げながら、思いつきました。

私が体をこわしたのは、過労が原因です。無理をしたために、体に老廃物がたまり、酸性体質(アシドーシス)になっていたのです。その結果、さまざまな病気を引き起こしたわけです。だったら、その体にたまった老廃物をきれいな水で洗い流し、体をアルカリ性体質に戻してやれば、いいのではないか。私はそう考えたのです。

水溶液の性格は、ペーハーであらわします。これは、水溶液中の水素イオン(イオンとは電気を帯びた原子のこと)の濃度を示したものです。水溶液の濃度がペーハー七で中性、七より小さくなると酸性、七より大きくなればアルカリ性となります。体液がこうしたペーハー7.4のアルカリ性であるとき、私たちのから打破最も健康になります。そして、私たちの体にはふつうはペーハーを7.4前後に保つ働き(筆者注;この働きを「ホメオスタシス」と呼ぶ)があります。
ところが、老廃物の排出が悪くなり、体が酸性に傾いてくると、体は疲労してきます。新陳代謝が悪くなりますし、腎臓や肝臓に負担がかかり、結果として慢性病(生活習慣病)を引き起こします。さまざまな病気にかかりやすく、しかも治りにくくなります。
酸性体質であることは、それだけでもう病気も同然なのです。
話は簡単です。体から老廃物を洗い流し、体をクリーンにして健康になるには、いい水を飲めばいいのです。こういうと、水を飲んだくらいで、と思われる人もいるでしょう。しかし、考えてもごらんなさい。私たちの体は骨や筋肉ばかりでできあがっているように見えますが、実はその大部分は水分です。体の60~70%は水なのです。そのため、人間は毎日2リットル近くも水を飲み、水が不足しないようにしています。
一生のうち、私たちはどのくらいの水を飲むのでしょうか。大変な量になるのは間違いありません。毎日毎日、かなりの量の水が体の中に入るのですから、この水の性質が体に影響を与えずにはおかないことが、常識的に考えてもわかるはずです。
いい水を飲めば、体の老廃物が洗い流され、体がアルカリ性体質になり、元気を取り戻すことができます。したがって、重要なことは“いい水”とは何かということになるでしょう。実は、このいい水を手に入れることが難しいのです。

私は、いい水の条件を三つあげたいと思います。まず、第一は、大量に飲んでも害にならないことです。毎日、たくさん飲むわけですから、それで体に変調をきたすようでは、当然、いい水とはいえません。
第二は、溶解性の高い水です。老廃物を溶かして、体の外に排出するわけですから、物を溶かす力が大きい水がいいのです。
第三は、安価なことです。大量の水が必要なので、値段の高い水は適しません。

まず、水道の水は、これらの条件を満たしていませんでした。値段は安いのですが、大量に飲むと吐き気がするのです。これでは、水療法に使えません。結局、“名水”と呼ばれる各地のミネラルウォーターを使って、十一年前から私は本格的な水療法で患者さんの治療をはじめたわけです。しかし、この名水の最大の難点は値段が高いことでした。やはり、これも先の条件を満たしてはいないので、いい水とはいえませんでした。
そして、いい水を求めて施行錯誤をしているうちに、ついに出会ったのが電気分解式アルカリイオン水でした。


いい水の条件を全部満たすアルカリイオン水

アルカリイオン水(以下アルカリ水)とは、電気分解をして得られる水です。プラスとマイナスの電極を水の中に入れ、そこに電気を流します。すると、分子が分かれて原子となり、プラスの電気を帯びたイオン(電気を帯びた原子)はマイナスの電極に、マイナスの電気を帯びたイオンはプラスの電極に集まります。このうちのプラスのイオンが多いほうの水がアルカリ水です。
このアルカリ水は、先の三つの条件をすべて満たします。重曹などのアルカリ性の強いものを飲めば、確かに体をアルカリ性にすることはできますが、体液のペーハーを7.4にすることはなかなかできません。むしろ、飲みすぎてペーハーが高くなり、アルカリ性が強くなりすぎてしまう恐れがあります。アルカリ性が強くなりすぎれば、これも体にとってはいいことではありません。

ところが、電気分解してできるアルカリ水の場合は、いくら大量に飲んでも、体液がペーハー7.4以上になることはありません。それ以上になると、アルカリ水はプラスのイオンを失うので、取りすぎにならないのです。つまり、取りすぎの害はないのです。
また、電気分解すると、水のクラスターが小さくなります。水の分子(H2O)は、一つ一つが独立して水を構成しているわけではありません。分子がクラスターといういくつかの集団を作って、水を作っていると考えられています。そして、その集団が小さいほど、エネルギーが大きく、物をよく溶かします。したがって、アルカリ水は非常に溶解性の高い水となります。
電気分解をする装置を買うのにはお金はかかりますが、一度買ってしまえば、それで安いアルカリ水が作れます。この点に関しても、アルカリ水は、私のいい水の条件を満たしています。
私はいまこのアルカリ水のおかげで、きわめて健康に毎日を過ごしています。また、これを用いた患者さんは病気から次々と開放されています。
誤解のないようにしておきたいのは、アルカリ水はクスリではない、いうことです。しかし、これを飲むと、最終的には体を作っている細胞(細胞内には体の水の50%以上がつまっている)の一つ一つがきれいになるので、全身が健康になるし、病気も治りやすくなります。
私の診療所には、高血圧、リウマッチ、腎臓病、肝臓病、ぜんそくなど、さまざまな病気の患者さんが訪れますが、そういう人たちが驚くほど早く治っていきます。私が患者さんに使う薬は、ふつうの内科医が使う薬にすぎませんが、アルカリ水を飲むようにすると、それらの薬が少なくてすむし、しかも効き目が高くなるのです。
あまりにも多くの患者さんが早くよくなるので、「何か特別な特効薬を使っているに違いない」などと、誤解をしている人もいるほどです。
生命は水から生まれたのです。水なくして、生命はありません。大いにいい水を飲んで健康になろうではありませんか。

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水を変えると尿と便が変る

水による尿中代謝物の差 
平均濃度(単位:mMol)
  代謝
産物
乳酸 アラニン クエン酸 ジメチルアミン クレアチン トリメチルアミノオキシド
水の種類 
           
水道水
0.26 0.35 3.46 0.33 1.64 12.3
アルカリイオン水 0.11▼ 0.18▼ 1.00▼ 0.20▼ 0.64▼ 1.88

*▼は濃度が低く、体内から出していないことを示している(270MHZ 1H-NMR法による分析)


水による便中(水抽出液)代謝物の差
 
平均濃度(単位:mMol)
  代謝産物 酪酸 プロビオン酸 エタノール 酢酸 コハク酸
水の種類
         
水道水
0.575 0.913 0.155 2.793 0.070
アルカリイオン水 0.854▲ 1.246▲ 0.151▲ 4.143▲ 0.086▲

*▲は濃度が高く、脂肪などが良く分解されている ことを示している。(270MHZ 1H-NMR法による分析)

アルカリイオン水を飲用すると体内が活性化され、現代人の悩みの一つである「
肥満 」の解消にも役立つことが上記より理解される。(松下和弘著「体にいい水悪い水」より抜粋)

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「若返る水」と「老化が進む水」

信州大学名誉教授  松崎五三男

いい水、悪い水を科学的に分析する

近年、水が健康に及ぼす影響について、大きな関心が寄せられています。しかし「体にいい水」とか「悪い水」といっても、その水が科学的にどんな性格であるかについては、あまり知られていないようです。
水の性質を分析する方法はいくつかありますが、よく知られているのが「水素イオン濃度指数(pH)」でしょう。pHは、酸性、中性、アルカリ性を表す指数で、pH7.0を中性とし、これより値が低くなるにつれて酸性、高くなるにつれてアルカリ性を示します。
人間の体液はpHが常に7.4前後の弱アルカリ性に保たれています。これは生命を維持するために非常に重要で、私たちの体にはpHを調節して一定に保つ働きが備わっています。ですから、弱アルカリ性の水を飲んでいればpHを調節するうえで体にかかる負担が小さくなり、健康にいいといわれています。
しかし、単に弱アルカリ性の水というだけでは、実際には残念ながらそれほどの効果は期待できません。その水が体にいいかどうかを判断するには、pH以外にも重要な要素がいくつかあるのです。

なかでも特に大事なのが「酸化還元電位」です。酸化還元電位とは、ある物質がほかの物質を酸化する力、あるいは還元する力の強弱を表すものです。
ここで、酸化と還元について説明しておきましょう。酸化といえばすぐに思い浮かぶのが、鉄にサビが生じる反応です。こうしたイメージからか、一般に酸化というのは「酸素がある物質を変質させていまう現象と捉えられているようです。
しかし正確には、酸化とは、「物質から電子が奪われること」であり、反対に「物質に電子が与えられること」を還元といいます。つまり、酸化と還元というのは、物質間の電子のやりとりのことなのです。
酸化還元電位というのは、この電子のやりとりをする力を示す指標です。酸化還元電位が高いと、物質から電子を奪う、つまり相手を酸化させる力が強くなります。逆に低いと、物質に電子を与える、つまり還元する力が強くなります。

いい水は活性酸素を消去し老化を防ぐ

人間は酸素を摂取することで生命を維持していますが、体内に入った酸素のいくらかは「活性酸素」に変化します。最近、この活性酸素が病気や老化を引き起こす原因だとして、大きな話題になっています。
活性酸素の正体を簡単にいうと、酸素が体内に入って変化し、電子の状態が不安定になったものです。
普通、電子は2個のペアを組んで安定しています。ところが、なにかの理由でこのペアが壊れてしまうと、相手を失った電子は、ほかの物質から電子を奪いとって安定しようとします。つまり、ほかの物質を酸化させてしまうわけです。
私たちの体にはもともとこれを防ぐ働きが備わっています。しかし、体内で活性酸素が増えすぎると、その防御機能も追いつかなくなり、体の組織の酸化が進んでしまいます。その結果、細胞や血管が傷つけられたり、ガン細胞が活性化されたりして、病気や老化が引き起こされると考えられているのです。
この活性酸素の害から身を守るためには、酸化還元電位の低い水を飲むことが役立ちます。
酸化還元電位の低い水は、還元力が強いーーーつまり相手に電子を与える水です。この水を飲むと、体内の活性酸素に電子が供給されて、活性酸素のペアなしで不安定だった電子が安定し、活性酸素が活性酸素でなくなるのです。
日本の水道水は、地域で差がありますが、酸化還元電位が500~700ミリボルト台という高い数値を示します。これでは、とても体にいいとはいえません。むしろ活性酸素の発生を即し「老化を進める水」だといっても過言ではありません。
とはいえ、酸化還元電位が極端に低いものも、あまりいいとはいえません。飲料水として理想的なのは、酸化還元電位がマイナス250~プラス100ミリボルト(Aki注:補正前の数字に書き換えています)台の水です。


究極の若返る水の条件とは何か?

もう一つ大事なのが、水の「クラスターの大きさ」です。
水は2個の水素(H)と1個の酸素(O)が結合したH2Oの化学記号で表されます。ところが、実際の水の構造をみると、H2Oという1個の分子が単純に多数存在しているわけではありません。水の分子同士がお互いに引き付け合って、いくつかの水分子が結合しているのです。この結合した水分子のかたまりを「クラスター」と呼びます。
通常、水のクラスターは平均12個の分子から成っていますが、そこになんらかのエネルギーが加わると、水分子の結合が分裂して、クラスターが小さくなります。この「小さな水」が、老化を防ぐさまざまな働きをしてくれるのです。
クラスターが小さい水は、体内に吸収されやすく、そのぶん普通の水より新陳代謝を活発にする効果が高いのです。新陳代謝が活発になることで、体内で不要となった老廃物が早く排出されるようになります。
クラスターの小さい水を飲み続けると、血液の水分のクラスターも小さくなり、血液がサラサラとしてきます。そのため、血栓、(血管内にできる血液の塊)ができるのが防がれ、血栓によって起こる脳卒中や心臓病の予防にもつながります。
さらに、クラスターの小さい水は溶解力(物質を溶かす力)が高く、血管に付着したコレステロールを溶かし、血圧を下げる働きがあることも認められました。
また、水に溶け込んでいる酸素やミネラルも水の性質を左右します。これらもそれぞれ測定する方法があります。例えば、「電気伝導度」という方法で水中のイオンの総量を調べることで、その水にミネラルが多く含まれているかどうかを測定することができます。
しかし、これは一概に多いほうがいいとか、少ないほうがいいとかいえません。例えば、海水はミネラルをたいへん多く含んでいるので、電気伝導度は高い値を示しますが、海水を飲もうという人はいないでしょう。どんなミネラルがどのくらい含まれているか、そのバランスがたいせつなのです。

さて、ここで科学的見地から、いい水の条件を整理してみましょう。



活性酸素の害による病気や老化を防ぐという意味から、最重要だと考えられるのが「
酸化還元電位が低いこと」です。
pHが弱アルカリ性であること」や
「クラスターが小さいこと」、
「さらに「ミネラルがバランスよく含まれていること
」も大切です。
これらの条件を満たすものこそ、究極の「若返る水」だといえるのではないでしょうか。
*この章は「ゆほびか9.1997」より転載。


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